役員報酬を経費にするにはどうすればいい?損金算入の要件や注意点も解説|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料

2025/09/26会計業務

役員報酬を経費にするにはどうすればいい?損金算入の要件や注意点も解説

会社を経営していると、役員報酬は経費になるのか?という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

会社が従業員に給料を払った場合には、その給料は経費となり、法人税法上、損金算入できます。
しかし、役員の給料(=役員報酬)については、法人税法上、損金算入するには一定の要件を満たす必要があるのです。

この記事では、役員報酬を損金算入するための要件や注意するべき点をわかりやすく解説しています。

役員報酬は経費=損金算入できる?

答えは「一定の要件を満たせば経費になる」です。

法人税の計算上、経費として計上することを「損金算入」するといいます。
本来、役員報酬は、会計上は費用であっても、税法上は損金と認められません。
自由な役員報酬の損金算入を認めると、経営者の恣意性が入り、課税の公平性を歪めてしまうからです。

しかし、後述する3つの方法のいずれかに該当し、適切にルールを守っていれば、例外的に損金算入が認められています。

損金算入できる役員報酬3種

税法上、損金算入が認められる役員報酬には3種類あります。
いずれかの種類に該当し、それぞれの支払方法や要件を満たす場合は損金算入が認められます。

定期同額給与

定期同額給与とは、「毎月同じ金額を、定期的に支払う」給与のことです。
定期同額給与は、事業年度開始の日から3か月以内の時期に決めた金額を、1年を通して金額を変更せず、例えば毎月25日、などと定期的に支給することがポイントです。

なお、役員の職務内容の重大な変更や、経営を揺るがすようなやむを得ない事情があると認められる場合にのみ、定期給与の金額の改定は許されていますが、一時的な資金繰りの都合などでは許されていません。
基本的に「変更しない」ことが大切です。

事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、簡単にいえば役員の「賞与」と考えて差し支えないでしょう。
従業員の賞与であれば、「今期は利益が出そうだから臨時ボーナスを出そう」という方法でも認められますが、役員の場合は認められません。
あらかじめ、所定の期日までに税務署に「事前確定届出給与に関する届出書」を提出し、その届出書に記載した「支給日」と「金額」どおりに支給しなければいけません。

事前確定届出給与に関する届出書は、基本的に、「会計期間開始の日から4か月を経過する日」、「株主総会決議から1か月を経過する日」のいずれか早い日までに提出しなければいけません。
その他、臨時改定事由がある場合には、その事由が生じた日から1か月を経過する日までとされています。

なお、届出書と異なる支給日や金額で支給すると、全額が損金不算入になるため注意しましょう。

業績連動給与

業歴連動給与とは、会社の業績に応じて支払われる役員報酬のことです。

利益が多ければ報酬も増え、利益が少なければ報酬も減る、という仕組みです。

上場企業などの大企業が対象であり、中小企業では基本的に使いません。
所定の指標をもとに報酬額を算定し、有価証券報告書に記載するもので、非上場の会社では適用できないルールとなっています。

注意するべきこと

注意するべきこと
前述のとおり、役員報酬を経費にするには一定のルールがあります。
注意すべき具体的なポイントをまとめました。

①金額を後から変更しない

株主総会などで決めた金額を、決められた通りに支給しましょう。
資金繰りや自己都合などで変更することは認められません。

後から変更しないためにも、前事業年度決算時に「適切な役員報酬」を設定することが肝要です。

②議事録や支払記録を残す

役員報酬を損金算入するためには、形式面と実質面を整えましょう。

株主総会の議事録の作成と保管を確実に行いましょう。
税務調査などで確認されることがあります。

会社法において「定款または株主総会の決議によって定める」とされており、株主総会での決議が必要です。

また、役員報酬の支給は、決められた日に支給し、支払記録を残しましょう
よほどの場合でない限り、変更は認められません。
支給は確実に、慎重に行いましょう。

③税務署への届出は確実に行う

まず、事前確定届出給与に関する届出書は期限までに確実に提出しましょう。
提出しなくては損金算入が認められません。

また、提出後は、税務署に提出した届出書どおりに支給しなければ全額が損金算入できなくなり、税負担が大きくなりますので、届出書どおりに支給しましょう。

まとめ

役員報酬は、ルールに則り、決定したとおりに支払えば法人の経費にできます。
注意すべきポイントを守って支払いましょう。

また、役員報酬の金額決定は経営にも大きな影響があります。
節税になるから、と金額を多く設定すると資金繰りが苦しくなるかもしれませんし、役員個人の所得税負担が増えることも考慮しなければいけません。

一方で、低く設定しすぎると、役員個人の生活に支障があるかもしれません。
総合的な判断が必要です。

期中で金額を変更しなければならない状況や、税務上のリスクを避けるためにも、税理士と相談しながら行うと安心です。

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この記事の監修者

山本たかし会計事務所代表:(税理士)山本卓志

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税理士

山本 卓志
Yamamoto Takashi

昭和50年兵庫県生まれ。
大学卒業後、不動産業、個人事務所での勤務を経て令和4年6月に大阪市にて独立開業

保有資格
税理士
宅地建物取引士

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