給与計算担当者必見!定額減税と令和6年年末調整の留意点|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料

2024/11/17会計業務

給与計算担当者必見!定額減税と令和6年年末調整の留意点

給与計算担当者必見! 定額減税と令和6年年末調整の留意点|山本たかし会計事務所(難波・心斎橋)

令和6年の年末調整を行う際には、定額減税を考慮しなければいけません。

例年にはなかった定額減税、早めにおさらいをして年末調整に備えましょう。

本記事では、わかりやすく定額減税と年末調整への影響をまとめています。

定額減税とは?

定額減税は、令和6年6月から実施された所得税と住民税の減税制度です。

この制度の対象者は日本国内の居住者で、令和6年の合計所得金額が1,805万円以下の人とされており、給与収入のみの人は給与収入が2,000万円以下であれば該当します(子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用対象者は2,015万円以下です)。

所得税の減税額は本人30,000円、同一生計配偶者や扶養親族についても1人あたり30,000円が減額されます。

住民税については1人あたり10,000円の減税が行われますが、本記事では所得税に限定し、年末調整に影響する点に絞って記述しています。

減税の方法

定額減税は、毎月の給与から天引きされている所得税から控除する方法で行います。

令和6年6月1日以後最初に支払われる給与・賞与の源泉徴収される所得税から控除します。
控除しても控除しきれなかった残りの金額は、以後の給与・賞与から順次控除していきます。

この処理は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人、いわゆる甲欄適用者について行います。
また、減税額の計算は、扶養控除等申告書に記載された同一生計配偶者や扶養親族の人数に基づいて行います。

その際、非居住者である配偶者や扶養親族を含めないこと、16歳未満の扶養親族(所得税法上は控除対象ではない)も対象になること、両親が重複して扶養控除等申告書に記載している場合などがあることに注意が必要です。

定額減税の年末調整への影響

定額減税の年末調整への影響|山本たかし会計事務所(難波・心斎橋)
その年1年間に給与から源泉徴収した所得税の合計額は、必ずしもその人が1年間に納めるべき税額と一致しません。
そのため、年末に精算する作業を年末調整といいます。

令和6年の年末調整では、年末調整時点の「年調減税額」を確認し、「月次減税額」との精算を行う必要があります。

すなわち、最初の確認で把握した「同一生計配偶者と扶養親族」の数で減税額を決定していますので、その後扶養親族等に異動があった場合には減税額が異なります。
年末調整時点での人数や減税額を確認し、「年次減税事務」で調整することになるのです。

年調減税事務の手順

例年の年末調整と同様に、所定の書類を従業員に配布・受理しましょう。
定額減税に関する項目が追加されていますので、案内が必要になるかもしれません。

  1. ①扶養控除等(異動)申告書(令和6年分。令和7年分も同時に受理すると効率的です)
  2. ②基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書兼所得金額調整控除申告書
  3. ③保険料控除申告書
  4. 他に住宅ローン控除がある人は④住宅借入金等特別控除申告書

月次減税と同様の定義ですが、同一生計配偶者と扶養親族の人数の把握が最も重要です。
以下のポイントを再確認しましょう。

例年の年末調整と同様に処理を行い、1年間の納めるべき税額を計算した後、「年調減税額」を控除するイメージで手順を進めていきましょう。

年末調整が終了し、過納額や不足額の精算をしたら、金融機関などの窓口納付か、ネットバンキングなどのキャッシュレス納付をするなどして徴収税額を納付します。
なお、納付税額がゼロでも、所得税徴収高計算書を提出する必要がありますので注意が必要です。

源泉徴収票への表示

年末調整を終了すると、給与所得の源泉徴収票を作成します。

令和6年については、摘要欄に源泉徴収時所得税減税控除済額〇〇〇円として、実際に控除した減税額を記載します。

①控除しきれなかった金額がない場合

減税額のうち、控除しきれなかった金額がない場合は、摘要欄に控除外額0円と記載します。

②控除しきれなかった金額がある場合

減税額のうち、控除しきれなかった金額があるときは、摘要欄に控除外額〇〇〇円と記載します。

なお、年末調整を行わずに退職し再就職しない場合や、令和6年分の給与収入が2,000万円を超えるなどして年末調整を行わないこととなった人の源泉徴収票には、摘要欄に定額減税等について記載する必要はありません。
源泉徴収税額欄には、実際に源泉徴収した税額の合計額を記入することになります。

まとめ

年末調整においては、月次減税事務で把握した情報を再確認し、定額減税についても精算が必要です。

大まかな流れを把握しておけば慌てることなく対処できます。

ケースに応じて、国税庁HPの特設サイトなどをうまく活用しましょう。
定額減税 特設サイト|国税庁

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この記事の監修者

山本たかし会計事務所代表:(税理士)山本卓志

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税理士

山本 卓志
Yamamoto Takashi

昭和50年兵庫県生まれ。
大学卒業後、不動産業、個人事務所での勤務を経て令和4年6月に大阪市にて独立開業

保有資格
税理士
宅地建物取引士

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