合同会社が納める主な税金7つを紹介!株式会社との違いは?|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料
- 山本たかし会計事務所TOP
- コラム
- 会計業務
- 合同会社が納める主な税金7つを紹介!株式会社との違いは?
2024/05/14会計業務
合同会社が納める主な税金7つを紹介!株式会社との違いは?
会社といえば株式会社が思い浮かびますが、株式会社の他にも合同会社、合名会社、合資会社などの形態があります。
この記事では合同会社にスポットを当て、株式会社との違いに触れつつ、合同会社の税金について詳しく解説しています。
合同会社の特徴
合同会社は、経営者=出資者という会社形態です。
出資者が決定権をもち、経営を行います。
出資者である株主と経営者の役割が切り離されている株式会社とは大きく違います。
他にも合同会社の特徴として、設立時にかかる費用が株式会社よりも安く済む点が挙げられます。
定款の認証料がかからず、登録免許税も株式会社より軽減されています。
また、合同会社の出資者は、出資額に関わらず1人1票の議決権があり、有限責任で、出資額以上の責任を負う必要はありません。
加えて、株式会社では役員の任期は2年ですが、合同会社では任期の規定がなく、登記変更の負担が少なく済みます。
デメリットとしては社会的信用度が株式会社に劣ることや、資金調達に限りがあることなどがあるでしょう。
合同会社が納める主な税金
合同会社が納める主な税金は、事業年度の決算毎に納める法人税をはじめ、固定資産税や自動車税、印紙税など状況によって納める税金があります。
①法人税
その事業年度において得た所得に対して課税されます。
税率は資本金の額等で異なりますが、合同会社は資本金が1億円以下であれば、800万円以下の所得に対しては15%、800万円超は23.2%です。
資本金が1億円超であれば23.2%です。
所得は、ざっくりと言えば、益金(収入)から損金(経費)を差し引いたものに税率を乗じます。
適用可能な税額控除等があれば差し引きます。
ただし、会計上の経費と、法人税法上の損金は考え方が異なる部分があり、税務上の調整を行って税額を確定します。
なお、赤字の場合には法人税は発生しません。
②法人住民税
法人住民税は、都道府県や市町村に納める税です。
法人税額を基に計算する法人割と、赤字であっても納付すべき均等割があります。
詳しい税率は所在地の自治体HPなどをご確認ください。
③地方法人税
国が各自治体に配布するための地方交付税の財源となる税金です。
法人税額に10.3%の税率を乗じて算出されます。
よって、赤字で法人税が発生しない場合には、地方法人税も発生しません。
④法人事業税
都道府県に納める税金で、道路や水道などさまざまな行政サービスの利用料であるといわれます。
法人税は国税、法人事業税は地方税に分類されます。
法人事業税は、資本金が1億円以下の場合、法人税の計算過程と同じ所得の金額に、400万円以下の部分には3.5%、400万円超800万円以下の部分には5.3%、800万円超の部分には7.0%の税率を乗じて計算します。
赤字の場合には発生しません。
資本金が1億円超の場合には、所得に税率を乗じて算出する「所得割」と、「付加価値割」、「資本割」が課税されます。
付加価値割は給与や支払利息、地代家賃などから収益配分額を算定し、1.26%の税率を乗じて計算します。
資本割は、資本金等の額に0.525%の税率を乗じて算出します。
よって赤字でも税金が発生します。
⑤特別法人事業税
都会と地方の税収格差を是正するために設けられた税金です。
大きな都市を持つ都道府県から地方に回すもので、法人事業税と併せて都道府県に納付します。
⑥消費税
商品販売やサービス提供などの取引に対して課され、消費者が負担し、事業者が納付する仕組みです。
原則的には、課税売上に係る消費税から課税仕入れに係る消費税を差し引いて納税額を計算します。
5000万円以下の事業者が、事前に簡易課税制度の選択届出書を提出している場合には、みなし仕入れ率を利用して消費税を算定することもできます。
事業者は、基準期間(その事業年度の前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超える場合に消費税の納税義務者となります。
基準期間がない設立1・2年目の事業年度は納税義務がありません(例外あり)。
なお、インボイス制度が導入され、適格請求書発行事業者の登録をした事業者は納税義務が免除されませんので注意が必要です。
⑦固定資産税その他
土地や建物を所有していれば固定資産税がかかり、附属設備や構築物、備品などに対して償却資産税がかかります。
他にも自動車税、印紙税などの負担が考えられます。
合同会社設立のメリット、株式会社との違いは?
合同会社と株式会社はどちらも「普通法人」に該当し、納めるべき税金の種類や計算方法も同じで、税負担に変わりはありません。
ただし、前述のとおり合同会社は設立費用が安く済みます。
また、個人事業主である場合と比べ、場合によっては経費の幅が広いといえます。
ご自分の所得と税率について、所得税と法人税の両面から検討を行うことが重要です。
まとめ
合同会社についてまとめました。
税金の種類は株式会社と変わりませんが、設立費用が抑えられ、株式会社よりも自由度が高いといったメリットがあります。
ただし、赤字でも均等割を納める義務があるなど、法人設立の際には検討が必要です。
山本たかし会計事務所でも会社設立についてサポート・ご相談いただけます。
税務顧問料は月額10,000円~
詳しくは会社設立のページをご覧ください。