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2026/07/21会計業務
減価償却の定率法とは?具体的な計算方法など
固定資産を取得すると、その価値は時間とともに減少していきます。
この価値の減少を、会計上の費用として適切に配分する仕組みが減価償却です。
減価償却は、企業の決算書や税金計算に直結する重要な経理業務です。
この記事では、定率法の仕組み・計算方法を解説し、定額法との違いなども整理します。
減価償却とは
減価償却は、固定資産の取得費用を期間に応じて配分する会計処理です。
例えば、100万円で購入した車両を、購入した年度に全額費用計上するのではなく、定められた期間に応じて毎年少しずつ費用化します。
これは、費用収益対応の原則という会計原則に基づいた考え方によるものです。
固定資産は購入年度だけでなく、数年にわたって収益の獲得に貢献するものです。
よって、取得費用についても、期間に応じて費用配分し、収益と費用を対応させているのです。
なお、その期間は耐用年数といい、資産の種類により定められています。
もし期中取得した場合には、月割りで計算することになっています。
定率法とは
定率法は、その年の期首帳簿価額(未償却残高)に償却率を乗じて減価償却費を算出する方法です。
つまり、定率法を適用すると初めの年では費用計上が大きくなるため、税負担を軽減させ、キャッシュフローを改善させる効果があります。
償却費の額は初めの年ほど多く、年と共に減少します。
ただし、定率法の償却率により計算した償却額が償却補償額に満たなくなった年分以後は毎年同額の償却費となります。
定率法の計算方法(200%定率法)

現在の税法では、平成24年(2012年)4月1日以降に取得した有形固定資産について200%定率法という仕組みが採用されています。
これは、定額法の償却率を2倍(200%)にした数値を定率法の償却率としています。
具体的な計算をみてみましょう。
【具体例】
・取得価額:1,000,000円
・耐用年数:5年
・5年の税法上の数値:(償却率:0.400、改定償却率:0.500、保証率:0.10800)
・償却保証額:1,000,000円 × 0.10800 = 108,000円
| 【1年目】 | ・計算:1,000,000円(期首残高)× 0.400 = 400,000円 ・判定:400,000円 > 108,000円(保証額) →償却費:400,000円 ・期末残高:600,000円 |
|---|---|
| 【2年目】 | ・計算:600,000円(期首残高)× 0.400 = 240,000円 ・判定:240,000円 > 108,000円(保証額) →償却費:240,000円 ・期末残高:360,000円 |
| 【3年目】 | ・計算:360,000円(期首残高) × 0.400 = 144,000円 ・判定:144,000円 > 108,000円(保証額) →償却費:144,000円 ・期末残高:216,000円 |
| 【4年目】 | ・計算:216,000円(期首残高)× 0.400 =86,400円 ・判定:86,400円 < 108,000円(保証額) ・処理:通常の償却費が保証額を下回ったため、「改定償却」に切り替えます。 ・改定計算:216,000円(改定する年の期首残高)× 0.500(改定償却率)=108,000円 ・償却費:108,000円 ・期末残高:108,000円 |
| 【5年目(最終年)】 | ・4年目に切り替えたため、最終年も改定償却費と同額になります。 ・計算:108,000円 ・処理:最終年は、備忘価額として「1円」を残す必要があります。 ・償却費:108,000円 -1円 =107,999円 ・期末残高:1円(資産を除却・売却するまで帳簿に残します) |
定額法との違い
同じ減価償却方法に定額法があります。
定額法は、毎年同額の償却費を計上していく方法です。
取得価額に定額法の償却率を乗じて償却費を算出します。
計算としてはわかりやすい方法といえるでしょう。
早く費用化したい会社は定率法、なるべく利益を計上したい会社は定額法を使われることが多いです。
注意すべきポイント
税法上、法人が有形固定資産(建物・建物附属設備・構築物などを除く)を取得した場合、事前に税務署へ届出をしていなければ、自動的に定率法が適用されます(法定償却方法といいます)。
よって、定額法を採用したい場合は、事業年度の確定申告期限までに「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出する必要があります。
なお、個人事業主の場合は定額法が法定償却方法であるため、法人と個人でルールが異なる点に注意が必要です。
まとめ
定率法は、初期に多くの償却費を計上できるため、税負担を抑え、キャッシュフローを改善できるメリットがあります。
一方で、計算方法にもルールがありますので注意が必要です。
自社に最適な償却方法を選び、企業経営に活かせるとよいでしょう。

