エンジェル税制とは?節税効果や確定申告、デメリットも紹介|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料

2025/11/27会計業務

エンジェル税制とは?節税効果や確定申告、デメリットも紹介

エンジェル税制とは、スタートアップ企業に投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。
エンジェル税制は起業支援と経済活性化を目的としています。

この記事では、エンジェル税制の概要と節税効果、注意点などを令和7年度改正もふまえて解説しています。

エンジェル税制とは

エンジェル税制とは、スタートアップへ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。

個人投資家の所得税や住民税負担を軽減することで、スタートアップ企業への資金供給を促進し、企業支援と経済活性化を目的として設けられています。
1997年に始まり、措置を拡充しながら現在も継続しています。

個人投資家にとって、スタートアップ支援と資産運用の両面において魅力があるといえるでしょう。
投資を考えている方は優遇措置の内容を把握し、漏れなく活用することが重要です。

経済産業省:エンジェル税制

優遇措置の2つのタイプ

優遇措置の2つのタイプ
エンジェル税制の優遇措置は、要件を満たす個人投資家について、「投資したとき」、「株式を売却したとき」、の2つのタイミングで優遇措置が受けられます。
優遇措置Aと優遇措置Bの2種類があります。

国税庁:No.1544エンジェル税制の概要等

【タイプA】所得控除型

タイプAは、投資したときに適用するもので、所得控除により所得税・住民税の負担を軽減します。
投資を行った年につき、その投資額の一定額までを総所得金額から控除できます。
従来までは年間最大500万円までの控除でしたが、令和7年度改正により最大1000万円まで控除枠が拡大されました。

総所得金額から控除すると、所得税と住民税の課税金額が大幅に減るため、所得税の税率が高い人では、最大で投資額の55%相当の節税ができることになります。
状況によりますが、年収2000万円の人が1000万円の投資を行えば、最大で550万円の税負担が軽減されることとなります。

【タイプB】譲渡益非課税型

タイプBは、株式を売却したときに適用され、キャピタルゲイン(譲渡益)が非課税となります。

通常、株式の譲渡益は課税されますが、タイプBを適用すると、投資した未上場株式を売却した際の譲渡益が一定額まで非課税になる制度です。

従来までの非課税枠は2400万円でしたが、令和7年度改正により、5000万円まで非課税枠が拡大されました。
1000万円の投資を行った株式が、4000万円で売却できた場合、3000万円の譲渡益が出ますが、非課税枠が5000万円まで使えるため、税負担がありません。
通常の株式の譲渡益であれば600万円(約20%)の税金がかかります。

令和7年改正内容

上述のとおり、令和7年改正により、控除対象額や非課税枠が拡大されました。
他にも、対象企業の設立年数がタイプAは5年未満、タイプBは10年未満まで拡大され、投資先の企業の選択肢が増加することとなりました。

また、手続が電子化し、マイナポータルe-Tax連携ができるため利便性が向上したことにも注目です。

エンジェル投資のデメリット

エンジェル投資は高リスク・高リターンの投資であることから、リスクを回避するための対策が必要でしょう。

創業間もない企業についてはデータが少なく、評価・分析することは困難といえます。
また、換金性も低いうえ、倒産リスクが高いと考えられます。

そのため、エンジェル投資の判断は難しく、投資の際には、複数の案件に少額ずつ投資する「分散投資」とし、リスク回避することがおすすめです。

エンジェル投資は確定申告が必要で難しい?

エンジェル税制を利用するには、確定申告が必須となります。

タイプAは、投資年度の確定申告の際に控除手続きをする必要があり、タイプBは株式の売却年度の確定申告の際に非課税枠を利用する必要があります。
投資案件ごとに確定申告のタイミングが異なることに注意しましょう。

また、確定申告時までに必要書類を揃える必要があります。

まず、都道府県等に「エンジェル税制適用対象企業である」ことの確認書を発行してもらいます。
他に、投資契約書や株式取得証明書、所得控除や譲渡益の計算根拠となる証憑も揃えましょう。

特に、投資先が複数ある場合、企業ごとに確認書が必要となるため手間がかかります。
時間の余裕をもって申請しましょう。

書類の不備や申告ミスがあると、優遇措置が適用されないリスクがあります。
確定申告は、その年の3月15日までに申告しなければならず、しっかりと準備しましょう。

投資金額が大きい場合や、複数の投資を行っている場合は手続きが煩雑になるおそれがあります。
税理士に相談する方が安心です。
専門家に依頼すると、適用条件の確認や節税効果を最大化する提案を行ってくれます。

中小企業庁:エンジェル税制申請から確定申告までの流れ

まとめ

エンジェル税制は、スタートアップ企業への投資を促進するための制度です。
リスク管理と、正しい確定申告の手続きが鍵となるでしょう。
申告手続きの不安や、制度の利用を迷っていらっしゃる方は税理士に相談してはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

山本たかし会計事務所代表:(税理士)山本卓志

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税理士

山本 卓志
Yamamoto Takashi

昭和50年兵庫県生まれ。
大学卒業後、不動産業、個人事務所での勤務を経て令和4年6月に大阪市にて独立開業

保有資格
税理士
宅地建物取引士

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