中小企業経営強化税制とは?即時償却の流れも解説!|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料

2025/10/31会計業務

中小企業経営強化税制とは?即時償却の流れも解説!

即時償却をご存じでしょうか。
設備投資にかかった費用を、取得した年度に経費として計上できる制度です。
生産性や収益力を高めたい中小企業にとっては非常に有効な節税手段です。

この記事では、中小企業経営強化税制で受けられる優遇制度の適用条件や申請の手順など、基本的な情報を中心にまとめています。

中小企業経営強化税制とは

中小企業経営強化税制は、中小企業の設備投資を後押しし、企業経営の強化や生産性の向上を促進する制度です。

具体的には、認定された「経営力向上計画」に基づいて設備投資を行い、対象設備を取得・使用することで、即時償却または税額控除のいずれかを適用できる制度です。

中小企業庁:中小企業経営強化税制

対象企業

中小企業経営強化税制が適用される対象企業は、下記の4つです。

  1. ①資本金もしくは出資金が1億円以下の法人
  2. ②資本もしくは出資を有しない法人のうち常時使用者数が1,000人以下の法人
  3. ③常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
  4. ④協同組合等

申請には、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営向上計画が必要です。

中小企業経営強化税制の対象設備

中小企業経営強化税制の対象設備
中小企業経営強化税制では、設備の目的に応じて4類型が用意されています。

①A類型:生産性向上

A類型の対象設備は、機械装置(取得価格160万円以上/10年以内)、測定工具および検査工具(30万円以上/5年以内)、器具・備品(30万円以上/6年以内)、建物付属設備(60万円以上/14年以内)ソフトウェア(70万円以上/5年以内)、さらに、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  1. 1.一定期間内に販売されたモデル(最新モデルである必要はない)
  2. 2.経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率、精度など)が、旧モデルと比較して年平均1%以上向上している設備

この2つの条件をともにクリアした設備が対象です。
これらを満たしていることを、工業会などから取得する証明書で示す必要があります。

②B類型:収益力強化

投資利益率5%以上の計画に基づく設備を対象にしており、経済産業局の確認書が必要です。

B類型の対象設備は、機械装置(160万円以上)、工具(30万円以上)、器具製品(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)です。

そして、「年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることにつき、経済産業大臣(経済産業局)の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的を達成するために必要不可欠な設備」であることを、経済産業省から確認書を取得して証明する必要があります。

③C類型:デジタル化推進

C類型の対象設備は、機械装置(取得価格160万円以上)、工具(30万円以上)、器具設備(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)です。

そして、対象が事業プロセスの遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかを可能にする設備であることを、経済産業省から確認書を取得する必要があります。

④D類型:経営資源集約化

令和3年4月の税制改正によって、M&A後の積極的な投資を促すことを目的として新設されました。
M&A後の新製品製造や共通システム導入などが対象になります。

機械装置(取得価格160万円以上)、工具(30万円以上)、器具設備(30万円以上)、建物付属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)の前提はそのままに、自社と取得した技術を組み合わせた新製品を製造するための設備投資や、原材料の仕入れ・製品販売に係る共通システムの導入が挙げられます。

経営力向上計画に書かれた事業承継などをしたうえで、設備を取得し、修正ROA又は有形固定資産回転率の改善が見込まれるパッケージ投資などの要件を満たさなければなりません。

中小企業経営強化税制ではどんな優遇が受けられる?

条件を満たした設備について、法人は決算申告時に、個人事業主は確定申告時に必要書類を添付して申告すれば、税額控除か即時償却のうちどちらかを選んで適用することができます。

①税額控除

取得価額の10%(資本金が3000万円超1億円以下の法人は7%)を法人税または所得税から控除することができます。

税額控除は直接的に納税額が減るため、利益が少なくても税額を直接減らしたい企業には有効です。

②即時償却

取得に要した費用全額を、その取得した事業年度の経費として計上することができます。

通常、資産を取得するとその資産の「法定耐用年数」に応じた金額を経費(減価償却費)として計上することになるため、即時償却は課税所得を圧縮しますのでその年の税負担は軽減します。

即時償却は、その年の課税所得を低く抑えることができるため、利益が多く、課税所得を減らしたい企業には有利ですが、合計300万円が上限額であるため注意が必要です。

まとめ

即時償却は、必要な設備投資を通じて、税負担を軽減しながら企業力を高めるための手段として有効な制度です。
申請には事前準備が必要で、書類準備が重要です。
不安な場合は税理士や商工会議所に相談するのがおすすめです。
制度を有効に活用したいですね。

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この記事の監修者

山本たかし会計事務所代表:(税理士)山本卓志

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税理士

山本 卓志
Yamamoto Takashi

昭和50年兵庫県生まれ。
大学卒業後、不動産業、個人事務所での勤務を経て令和4年6月に大阪市にて独立開業

保有資格
税理士
宅地建物取引士

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