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2024/10/08勘定項目
事業用の車両費を経費にしたい!仕訳に使える勘定項目は?
事業用の車には、様々な費用がかかります。
内容に合わせて、適切な仕訳を計上する必要があります。
この記事では、車両に関する仕訳の方法や、使用する勘定科目などをわかりやすく解説しています。
車両費とは
事業で使用している車に関する費用のことをいいます。
自動車税などの税金をはじめ、修理や車検、洗車代や高速料金、ガソリンや駐車料など多岐にわたります。
後述しますが、車の購入代金は車両費ではなく、貸借対照表に固定資産として計上し、耐用年数にわたって減価償却費として費用計上されることになります。
経費としてよい車両費とは?
会計上、経費として計上してよいものは、売上や収入を得るために必要な費用、業務上の費用をいいます。
よって経費としてよい車両費とは、事業で使用することが絶対的な条件となります。
取引先への訪問や営業などに使用する車に関連する費用が該当します。
法人の場合は、車の名義を法人にしましょう。
個人事業主の場合は、プライベートでも使用することが考えられます。
事業用と私用とを区別し、事業用の費用を経費として計上します。
合理的な割合を基準として家事按分することが、実務上有効です。
車両費を経費にする際に使用する勘定科目
では車両費の仕訳で使用する勘定科目を具体的にみていきましょう。
①車両費
車に関する費用のうち、車の維持・管理にかかった費用などを車両費として計上します。
修繕費や車検費用、洗車代、ガソリン代など幅広く含めることができる勘定科目です。
(例)車の修繕に現金30,000円を支払った。
(借方)車両費 30,000円
(貸方)現金 30,000円
②租税公課
車に関する税金は、租税公課として計上します。
自動車税または軽自動車税、自動車重量税、環境性能割が考えられます。
自動車税または軽自動車税は、年に1回、4月1日時点の所有者が納税するもので、排気量に応じて金額が異なります。
(例)自動車税36,000円を現金で支払った。
(借方)租税公課 36,000円
(貸方)現金 36,000円
③保険料
自賠責保険や自動車保険料を支払った場合には、保険料として計上します。
すべての車は、自賠責保険に加入することが法律で義務づけられており、強制保険と呼ばれます。
自賠責保険は、人身事故を補償するための保険で、限度額が定められているため、任意保険にも加入し、補償範囲を広げておく必要があるでしょう。
原則的に、数年分の保険料を一括で支払う場合は、期間に応じて按分し、当期分だけを経費計上し、翌期以後の保険料は「前払費用」や「長期前払費用」として翌期以後に費用計上します。
ただし、自賠責保険は強制加入であることや少額であることから、支払った時に全額を経費にすることも認められています。
(例)自動車保険2年160,000円を普通預金から支払った。
(借方)保険料 80,000円
(貸方)普通預金 160,000円
前払費用 80,000円
④旅費交通費、地代家賃
例えば、月極駐車場を契約して、駐車場代を支払っている場合には、「地代家賃」として費用計上します。
また、コインパーキングなどを利用した場合の駐車料は「旅費交通費」として費用計上することが一般的です。
ガソリン代は車両費に含めることをご紹介しましたが、旅費交通費や燃料費としても問題ありません。
ただし、一度決めた勘定科目は、継続して使用するようにしましょう。
(例)月極駐車場1ヶ月分60,000円を普通預金から支払った。
(借方)地代家賃 60,000円
(貸方)普通預金 60,000円
⑤車両として資産計上
車の購入費は「車両」として資産計上し、耐用年数にわたって「減価償却費」として費用計上します。
直接法と間接法があり、他の資産と同様の方法で仕訳を行いましょう。
(例)車両600万円を購入した(耐用年数6年)。当社は直接法を選択している。
購入時
(借方)車両 6,000,000円
(貸方)普通預金 6,000,000円
費用計上時
(借方)減価償却費 1,000,000円
(貸方)車両 1,000,000円
※なお、間接法を選択している場合は以下の仕訳を計上します。
(借方)減価償却費 1,000,000円
(貸方)減価償却累計額 1,000,000円
⑥リース料
カーリースを利用した場合は、オペレーティングリース取引かファイナンスリース取引かによって仕訳が異なります。
ファイナンスリース取引の場合は、前述の⑤の資産計上と同様の取り扱いです。
(例)オペレーティングリース契約で事業用のリース料30,000円を支払った。
(借方)リース料 30,000円
(貸方)普通預金 30,000円
まとめ
車両費の仕訳や勘定科目についてまとめました。
車両費といっても様々な取引があります。
内容に合った勘定科目を選び、適切な仕訳を計上しましょう。
特に個人事業主の場合は、事業用と私用を合理的に按分することが大切です。