はぐくみ企業年金とは?メリット・デメリットを解説!|難波の税理士【山本たかし会計事務所】クラウド会計・相談無料

2025/08/20会社設立

はぐくみ企業年金とは?メリット・デメリットを解説!

はぐくみ企業年金は、確定給付型の企業年金制度です。
安全性と税制優遇を兼ね備えた制度で、従業員の福利厚生を充実させることができます。

この記事では、はぐくみ企業年金の内容と、企業側・従業員側からみたメリットとデメリットをわかりやすく解説しています。

はぐくみ企業年金とは

はぐくみ企業年金の正式名称は、「福祉はぐくみ企業年金基金」といい、加入事業所の従業員の福祉向上を目的に設立された企業年金基金です。
従業員の資産形成を支援し、安心して日々の仕事に従事できるようにすることを理念としています。

一般的な企業年金は、その掛金を企業が負担する場合が多いですが、はぐくみ企業年金は、従業員の給与から天引きをする形で、企業はコストをかけずに退職金制度を構築することができるのが大きな特徴です。

はぐくみ企業年金は、もともと福祉・医療業界向けに設立されましたが、現在では中小企業を中心に、幅広い企業に利用されています。

企業側のメリット

はぐくみ企業年金に加入すると、企業側にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
人材面、コスト面、制度面の3つの観点からみてみましょう。

人材の確保

はぐくみ企業年金は、従業員の福利厚生を充実させる制度です。

福利厚生が充実している会社は、求職者からの評価が高くなり、人材募集の際にはメリットです。

また、既に働いている従業員にとっても魅力的な福利厚生制度は離職率を抑えてくれる効果があるでしょう。

法定福利費を軽減できる

はぐくみ企業年金の掛金は、給与の額面から控除されるため、給与にかかる社会保険料や所得税、住民税の計算の対象外となります。

その結果、社会保険料が減少し、企業が負担する金額も減少するため、法定福利費の負担を軽減することができます。
従業員数が多い企業では削減効果も大きくなるでしょう。

導入のしやすさと安定した運用

導入対象となる法人は、業種や業態を問わず、厚生年金に加入している事業所であれば導入することができます
従業員の加入は任意であり、強制ではありません。

また、専用システムを利用することで、従業員の加入申請や承認、届出などをスムーズに行うことができます。

従業員側のメリット

従業員のための福利厚生制度であるはぐくみ企業年金は、従業員にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
税制面、リスク面、制度面の3つの観点からみてみましょう。

税制優遇

前述のとおり、はぐくみ企業年金の掛金は給与の額面から控除されるため、社会保険料や所得税、住民税の計算対象外となり、負担軽減となります。

また、受け取りの際は、退職所得か、または公的年金等の雑所得と扱われるため税制上、優遇されます。
特に退職所得として受け取る場合、勤続年数にもよりますが、所得税がかからないケースが多いでしょう。

なお、一般的な企業年金やiDecoは60歳以降の受け取りが原則ですが、はぐくみ企業年金は退職時や休職時などでも受け取りが可能で、柔軟に活用することができそうです。

資産形成

はぐくみ企業年金は確定給付型であるため、原則として給付額が保証されます。
従業員は運用リスクを負うことがありません。

また、自分で運用する必要がなく、大手生命保険会社などが運用を行うため、運用の知識がなくても安心です。

事務手続きは企業が行う

事務手続きは企業が行うため、従業員本人の負担は少ないでしょう。

企業側の注意点

企業側の注意点

導入時費用とランニングコスト

はぐくみ企業年金を初期導入する際には約30万円程度必要です。

また、毎月の事務費として従業員1人あたり数百円のコストが発生します。

運用リスクを負う義務

はぐくみ企業年金は確定給付型であるため、従業員の掛金元本は保証されていますが、企業側は積立不足が発生した場合には補填する義務を負います。

低リスク商品の運用がなされているため、積立不足の可能性は低いと考えられますが、注意が必要です。

従業員側の留意点

リスクは少ないが運用益は低め

従業員は元本割れのリスクを負うことはなく、安心できる制度ですが、その分、運用リスクの低い商品を扱うため、運用益はあまり大きくありません

毎月の手取り額の減少

掛金は給与から天引きされるため、毎月の給与の手取り額は減少します。
将来のための貯金と考えましょう。

社会保険料の減少による給付額への影響

前述のとおり、掛金部分は社会保険料の対象外となり、社会保険料や税金の負担は減りますが、その影響で、社会保険料を用いて算定される年金や給付金が減少する可能性があります。

将来受け取る厚生年金部分や、雇用保険の失業給付額などが該当します。

他制度との併用も可能

idecoや企業型DC、中小企業退職金共済などとの併用が可能です。

資産運用の選択肢として柔軟に活用ができるでしょう。

ただし、併用する場合は掛金の限度額に注意が必要です。

まとめ

はぐくみ企業年金は、企業にとっても従業員にとってもメリットがある制度です。
自社の状況を勘案し、福利厚生制度として検討してみてはいかがでしょうか。

大阪難波(なんば)で税理士をお探しの際は、ぜひ山本たかし会計事務所へご依頼ください

初回相談
無料!!
TEL.06-4400-0762
受付時間|
9:00~18:00(土日祝定休)

この記事の監修者

山本たかし会計事務所代表:(税理士)山本卓志

大阪難波(なんば)地域の税理士業務は、山本たかし会計事務所へお任せください。
【初回相談無料!】クラウド会計に対応しているため、低価格でのサービス提供が可能です。税務顧問、会社設立・スタートアップ、節税など、お客様に合った形でサービスを提供します。

税理士

山本 卓志
Yamamoto Takashi

昭和50年兵庫県生まれ。
大学卒業後、不動産業、個人事務所での勤務を経て令和4年6月に大阪市にて独立開業

保有資格
税理士
宅地建物取引士

コラム一覧に戻る

初回相談
無料!!
TEL.06-4400-0762
受付時間|9:00~18:00(土日祝定休)