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2023/10/07インボイス制度
インボイス制度の領収書の書き方を解説! 適格簡易請求書との違いは?
令和5年10月1日、インボイス制度が開始されました。
ご存じのとおり、適格請求書発行事業者は、取引相手に適格請求書=インボイスを交付しなければいけなくなりました。取引先の消費税の計算上、仕入税額控除が認められなくなるためです。
インボイスについては、様式について法令等で決まったものがあるわけではありません。
必要な事項が記載されていれば、その名称を問わず、手書きであっても適格請求書として取り扱われます。
そのうち、適格請求書の記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書といわれるものがあります。
領収書は、一定の要件を満たしていれば適格簡易請求書として取り扱うことができます。
本記事では、適格請求書との違いを押さえながら、領収書の書き方やルールを解説します。
インボイス制度における領収書
インボイス制度においては、取引先が仕入税額控除を受けるために必要な要件を満たした適格請求書を交付・保存しなければいけません。
インボイス=適格請求書であり、登録事業者は要件を満たしたものを交付する必要があります。
しかし、業種によっては適格請求書の交付が困難な場合があります。
そこで、特定の業種に関しては、記載事項を簡易なものとした適格簡易請求書を交付することが認められています。
簡易インボイスとも呼ばれています。
飲食業や小売業などをされている方は、この適格簡易請求書を発行すればOKです。
それでは、適格簡易請求書について詳しく解説します。
適格簡易請求書とは?適格請求書との違い
適格簡易請求書は、適格請求書よりも簡易な記載が認められています。
適格簡易請求書を交付できる業種は?
適格簡易請求書を交付できるのは、以下の事業に該当する場合とされています。
不特定かつ多数の者に対して事業を行う場合で、
- ①小売業
- ②飲食店業
- ③写真業
- ④旅行業
- ⑤タクシー業
- ⑥駐車場業(不特定かつ多数の者に対するものに限る)
- ⑦その他これらの事業に準ずる事業で不特定かつ多数の者に対して行う事業
不特定かつ多数かどうかは個々の事業の性質により判断しますが、相手方の氏名や名称等を確認せず、相手方を問わず取引をすることが常態である事業のこと、といえます。
適格簡易請求書の記載事項
まず、適格請求書に記載すべき事項は以下の6つです。
- ①発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
- ②取引を行った年月日
- ③商品やサービスの内容
- ④税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
- ⑤税率ごとに区分した消費税額等
- ⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
以上のうち、適格簡易請求書では、⑥書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称の記載ナシでOKです。
また、④⑤について、税率ごとに区分した消費税額等と適用税率のどちらか一方の記載でよいとされています。
適格請求書と比較して、簡便にされていることがわかります。
特に⑥の取引相手の氏名や名称を記載しなくてもよい、という点が特色です。
不特定かつ多数の相手に交付する際に、名前や名称を記載することは困難なためです。飲食店やスーパーなどを想像すればわかりやすいですね。
ただし、簡易請求書とはいえ、必要事項はしっかり記載しなければ要件を満たさず、仕入税額控除が認められません。
特に、登録番号と、消費税額又は適用税率の記載については漏れがないか確認しましょう。
その他の注意点
そもそも「交付が困難である」ことから、インボイスの交付が免除されている取引があります。これらは「一定の事項を記載した帳簿のみ」で仕入税額控除が認められています。
主なものとして、3万円未満の公共交通機関による旅客の運送、3万円未満の自動販売機及び自動サービス機により行われる商品の販売等が該当します。
インボイス制度開始前までは3万円未満のレシートや領収書はなくても仕入税額控除が認められていました。
しかし、インボイス制度開始後は上記の公共交通機関、自動販売機だけが特例的に認められており、その他のものは3万円未満でも要件を満たした領収書の交付が必要です。
「3万円未満」という文言で混乱しますが、規定が変更されています。注意しましょう。
まとめ
インボイス制度における領収書(=適格簡易請求書)の書き方や、そのポイントについて解説しました。
本記事は領収書を発行する側に立って解説していますが、
発行する側、交付を受ける側の両方の立場から考えてみるとインボイスに対する理解が深まります。
インボイスに関する正しい経理方法を知り、経理に関する悩みが減るといいですね。