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2023/07/17クラウド会計
クラウド会計を使用すれば税理士は不要?クラウド会計を使用しても税理士が必要なケースを紹介
クラウド会計を使用すれば税理士は不要?クラウド会計を使用しても税理士が必要なケースを紹介
今多くの企業でクラウド会計ソフトの導入が進んでいます。近年ますます便利になっており、クラウド会計ソフトを導入することにより、日々の会計業務の負担を大幅に軽減出来るだけでなく、確定申告や決算処理までサポート対応をしてくれます。
個人事業主や法人経営者の中には、
「クラウド会計ソフトがあれば、税理士なんていらない」
「決算処理を税理士にわざわざお金を払って頼むなんてもったいない」
と考えている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではそのような疑問に、クラウド会計ソフトを実際に使っている会計士がお答えしたいと思います。
クラウド会計ソフトを導入すれば税理士はいらないって本当?
結論からいうと会社や個人事業主によって税理士と契約した良いケースがあり、「うちはクラウド会計ソフトを導入したから税理士が不要」とは必ずしもなりません。以下でクラウド会計ソフトの基本的な知識と、導入後に税理士が必要なケース、不要なケースをご説明します。
クラウド会計とは
クラウド会計とは、インターネット上で利用する会計ソフトです。
従来の会計ソフトは顧客のパソコンにソフトウェアをインストールして使うことが一般的でした。
しかしクラウド会計ではソフトウェアのインストールが必要とされないため、インターネットに繋がる端末であれば、いつでもどこでも利用することができます。
クラウド会計で出来ること
クラウド会計では、これまでの一般的な会計ソフトの機能の他に以下の機能が使えます。
- 銀行口座やクレジットカードと連携し、取引ごとに自動で仕訳入力ができる
- ネットに繋がる端末があれば、いつ、どこでも記帳や会計記録の確認ができる
もちろん利用するクラウド会計サービスにより機能やできることは異なりますが、どのサービスを選んでも記帳の手間を大幅に削減できます。
クラウド会計を使うメリット
クラウド会計を使うことによるメリットを改めて確認しましょう。
- 記帳の手間、時間の削減
クラウド会計は、銀行口座やクレジットカードとデータやアカウントを連携して、自動的に仕訳を入力してくれます。そのため、現金でのやり取り以外の仕訳の手間がほとんどなくなります。
また、現金でのやり取りについても領収者や請求書などをデータとして読み込む機能がついてるサービスもあり、仕訳入力の手間が減ります。
クラウド会計サービスによっては、取引や自動仕訳をAIが学習して、勘定科目を提案してくれるようなものもあります。 - 法改正への対応が容易
クラウド会計では、インターネット上のソフトウェアを活用するため、常に最新のバージョンを使えます。
そのため、常に改正がある会計基準を自ら勉強したりアップデートする必要が無くなります。なので基準改正があるたびに会計ソフトをアップデートしたり、使用する端末を変えた際に再インストールする手間などから解放されます。 - データの確認が容易
インターネット上のソフトウェアを利用するため、複数人が同時に端末を選ばずに使うことができます。そのため、外出先での記帳や財務数値の確認も可能です。
クラウド会計を使うデメリット
クラウド会計を使うことによるデメリットもあります。そちらを確認しましょう。
- ランニングコストのコスト負担
一般的な会計ソフトはソフト自体を購入して利用しますが、一方でクラウド会計ソフトは月額料金を支払って利用する形となります。そのため、クラウド会計ソフトを使い続ける限りは一定のランニングコストがかかります。 - 導入時の設定
クラウド会計の自動仕訳入力は非常に便利ですが、導入時の設定が難しいというハードルがあります。
各事業者の事業内容や決算・確定申告の方法に合わせた設定にするのは難易度が高く、ある程度の会計知識が要求されます。
会計知識にある程度自信がある方は問題ありませんが、導入時の自動入力・自動仕訳が事業内容に応じて上手く設定出来ない場合、決算書・確定申告書が正確に作成出来ないリスクもあります。 - 業種によっては不向き
クラウド会計は、現金での取引が多い業種や複雑な会計処理が必要になる業種には不向きです。
特に現金での支払い、受け取りが多い業種は、「記帳の手間を削減できる」メリットがほとんどなくなってしまうため、あまりオススメできません。
税理士が不必要なケース
クラウド会計のメリット・デメリットを確認できたところで、クラウド会計を導入した場合に税理士が不必要なケースを確認していきましょう。
売上が少ない個人事業主
まず一つに売上が少ない個人事業主というケースでは税理士は必要とされないでしょう。理由は以下の通りです。
- 確定申告の難易度が低い
個人事業主の場合、確定申告を毎年行う必要がありますが、確定申告は法人の決算と比べると難易度はそれほど高くありません。ですのでクラウド会計ソフトを使って、日々の記帳を正確に行っていれば、簡単に確定申告書が作成できます。 - 税務調査が入る可能性は低い
売上が少ない個人事業主の場合は税務調査の対象になる可能性は限りなく低いと言えます。
ですのでクラウド会計ソフトである程度正確な確定申告が出来ている限りは、税理士の必要性は低いでしょう。
当然ですが、いくら売上が少ない個人事業主でも確定申告の内容が明らかに不正確であれば税務調査が入る可能性はあります。そのため、あくまでも税務調査が入る可能性が低い「傾向にある」と考えて頂く方がいいでしょう。 - 節税の余地が小さい
税理士は会計事務のサポートだけでなく、節税アドバイスなどのサービスもしてくれます。
この点、売上が少ない個人事業主の場合ですと、税理士アドバイスによる節税余地はほどんどありません。ゆえに売上が少ない個人事業主の場合には、節税対策にかけた税理士への時間とお金に見合うだけの効果を出すことは難しいといえます。
税理士が必要なケース
ここまでクラウド会計を導入すれば税理士が不必要なケースを紹介してきましたが、一方で税理士が必要なケースはどのような場合なのか確認していきましょう。
売上が多い個人事業主
売上が少ない個人事業主に税理士がいらない理由の逆になります。
「売上が少ない個人事業主」と「売上が大きい個人事業主」を比べると、売上の大きい方が税務調査が入りやすい傾向にあります。
そのため売上が大きい個人事業主は、より正確な内容の記帳と確定申告が求められます。
また、節税の効果も大きく出やすいため、税理士をつけるメリットは大きくなります。
法人
株式会社などの法人の場合はクラウド会計を導入しても税理士が必要なケースが多いです。理由は以下の通りです。
- 確定申告より決算書の作成は高度な知識が必要
法人は毎期ごとに決算書を作成しますが、クラウド会計ソフトだけでは決算処理や決算書の作成などはできません。
しかも、法人の決算は個人事業主の確定申告と比べると難易度が高く、やや専門的な会計知識が必要なため、税理士のサポートを受けた方がいいでしょう。 - 外注することにより本業に専念できる
会社の経理部門や経営者の方だけで決算対応を行うとなると、多くの労力と時間がかかってしまいます。
そのため法人では顧問税理士をつけて、日々の記帳から決算対応までサポートしてもらうことで、経営者などの方は本業に専念することができます。
クラウド会計ソフトを導入しても税理士が必要な理由
最後に改めてクラウド会計を導入しても税理士の導入をおすすめする理由をご紹介します。
- 記帳や確定申告は出来ても誤っているケースが多い
クラウド会計ソフトは確かに便利なソフトです。クラウド会計ソフトを使えば簡単に日々の仕訳を記帳できますし、確定申告もできます。
ただクラウド会計ソフトを使って経営者自信で作成された確定申告書や決算書は、専門家が見るとひと目でおかしい箇所と分かる箇所が多々あります。
作成した書類の内容が正しいかどうかは、やはり専門的な知識を持った第三者の目で確認する必要があります。 - 節税アドバイスなど有益な情報を得られる
税理士は記帳の代行や会計相談だけでなく、節税アドバイスなど専門的な知識から会社経営をサポートしてくれます。ある程度の会社規模でしたら税理士との契約は会社にとって有益になるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。是非ご自分のケースと照らし合わせて税理士との契約を検討してみてください。